耳の症状

当院では、耳の不調から補聴器に関するご相談まで幅広く対応しています。
耳は「聞く」働きだけでなく、身体のバランス(平衡機能)にも深く関わっており、生活の質や認知機能にも影響します。
聞こえにくさは難聴の可能性があり、急に悪化するタイプとゆっくり進行するタイプがあります。原因部位によって「伝音性難聴」「感音性難聴」に分類され、中でも突然発症する感音性難聴は緊急の対応が必要です。
耳鳴り、聞こえにくさ、耳の詰まる感じなど、ささいな症状でもお気軽にご相談ください。

耳の症状

このような方はご相談ください

  • 耳鳴りがする
  • 耳が痛い
  • 耳だれが出る
  • 自分の声が響く・こもる
  • 急に聞こえにくくなった
  • 耳が詰まったように感じる
  • 耳の中がかゆい
  • 耳に異物を入れてしまった
  • 補聴器について相談したい

耳の主な疾患

外耳炎

耳かきや指で外耳道の皮膚に傷ができ、細菌が入って炎症を起こします。耳の痛みや腫れ、聞こえにくさが出ることがあります。
耳たぶを引っ張ると痛みが強くなるのが特徴です。
治療は局所処置や抗菌薬・鎮痛薬の内服で行います。

中耳炎(急性中耳炎・滲出性中耳炎)

鼻の細菌やウイルスが耳管を通って中耳へ入ることで起こります。
耳の痛みや聞こえにくさがあり、膿がたまると鼓膜が破れることもあります。痛みのない滲出性中耳炎では、鼓膜の奥に液が残り聞こえにくさが続きます。
治療は抗菌薬・耳管通気・鼓膜切開・チューブ挿入などを行います。

外耳掻痒症(外耳湿疹)

耳かきや綿棒のやりすぎで皮膚が傷つき、乾燥や細菌で炎症を起こします。かゆみ、カサつき、ただれがみられます。
治療は耳を触らないことが基本で、ステロイド軟膏や点耳薬を使用します。再発しやすいので、医師の指示に沿った継続治療が大切です。

耳鳴り

実際の音がないのに聞こえる現象です。多くは難聴に伴いますが、筋肉のけいれんや血流の変化が原因となる場合もあります。
疲れ・ストレスで悪化することがあり、治療は原因疾患への対応や薬物療法、TRT(音響療法)などを行います。
改善に時間がかかることもあります。

良性発作性頭位めまい症

良性発作性頭位めまい症は、頭の向きを変えたときに、周囲が回るように感じる短時間のめまいが起こる病気です。
吐き気や、眼球が揺れる「眼振(がんしん)」がみられることもあります。診断は、症状の経過や診察によって行われます。
治療では、頭や身体の向きを順番に変えて耳石(じせき)を移動させる「エプリー法」を行い、症状が和らぐことがあります。
加齢や頭をぶつけるけがなどがきっかけになる場合があり、高齢の方では転倒につながることもあるため注意が必要です。

原因

良性発作性頭位めまい症は、耳の奥にある「耳石(じせき)」が本来の場所から外れ、後半規管などに入り込むことで起こります。
頭を動かしたときに、外れた耳石が内耳のセンサーを刺激し、回転するようなめまいを感じます。加齢や耳の感染症、頭をぶつけるけが、長期間の安静、耳の手術などがきっかけになることがあります。まれに、ほかの内耳の病気に伴って生じる場合もあります。

治療方法

良性発作性頭位めまい症の治療は、耳石(じせき)を元の位置へ戻すための頭の運動が基本です。
代表的な「エプリー法」は、頭や身体の向きを段階的に変えて耳石を移動させ、回転するようなめまいを和らげます。必要に応じて繰り返し行うことがあります。
ご自宅で続けられる「ブラント・ダロフ法」が有効な場合もあります。
症状が改善しにくい場合には、ほかの病気が隠れていないか検査を行い、まれに手術が検討されることがあります。

メニエール病

メニエール病は、内耳の液体が増えることで、回転するようなめまいの発作が起こり、吐き気・耳鳴り・耳の圧迫感・難聴などを伴うことがある病気です。発作は繰り返すこともあります。
診断は聴力検査が基本で、必要に応じてMRI検査などを行い、ほかの病気の可能性を確認します。
治療では、減塩などの生活習慣の工夫や、利尿薬・めまい止めなどを用いて、発作の強さや頻度を抑えることを目指します。

原因

メニエール病は、内耳の液体(内リンパ)が増える「内リンパ水腫」が関わって発症すると考えられています。
ストレスや睡眠不足、疲れ、気圧の変化などが影響し、症状を引き起こすきっかけとなることがあります。内耳のどの部分が影響を受けるかによって現れる症状は異なり、蝸牛が関係する場合には難聴や耳の詰まり感、耳鳴りなどが中心となり、三半規管や耳石器が関係する場合には回転するようなめまいが主に現れます。また、めまいの強さや続く時間には個人差があり、日によって変化することもあります。

治療方法

メニエール病の治療では、まず発作を予防することが大切です。減塩を意識した食事や、アルコール・カフェインの摂取を控えることなどが勧められ、必要に応じて利尿薬などを用いて症状の悪化を防ぐことを目指します。発作が生じた際には、めまい止めや吐き気を抑える薬で症状を和らげます。
こうした治療で十分な効果が得られない場合には、内耳の圧を調整する手術や、薬剤を用いた治療が検討されることがあります。症状の程度や生活への影響を踏まえ、患者さまに合わせて治療方法を選択します。

突発性難聴

突発性難聴は、片側の耳に中等度以上の難聴が、突然(通常72時間以内)起こる病気です。朝起きたときに気づくことも少なくありません。耳鳴りや耳の詰まり感、めまいを伴うことがあり、症状が急に現れるのが特徴です。早期に診断・治療を開始することが、回復の可能性につながると考えられています。

原因

突発性難聴は、はっきりとした原因が分からないまま突然起こる難聴で、耳鳴りや耳の詰まり感、めまいを伴うことがあります。まれに脳の神経に関わる症状がみられる場合には、脳梗塞など別の病気の可能性も考慮する必要があります。
診断では、急に起こるほかのタイプの感音難聴や、内耳・脳の病気と区別するために、除外診断が重要です。必要に応じてMRI検査を行い、脳の異常や聴神経腫瘍の有無を確認します。

治療方法

突発性難聴では、できるだけ早い段階で耳鼻咽喉科を受診し、治療を始めることが大切です。副腎皮質ステロイドをはじめ、血流をよくする薬やビタミン剤の内服・点滴、高気圧酸素療法、星状神経節ブロックなどが治療として行われることがあります。これらの治療により聴力の回復が期待できる場合がありますが、いずれも有効性が必ずしも確立しているわけではありません。

加齢性難聴

加齢性難聴は、年齢とともにゆっくりと聴力が低下していく状態で、特に60歳以降は高い音から聞こえにくくなることが多くみられます。
自然な加齢による変化で、元の聴力に戻すことは難しいとされています。そのため、日常生活での聞き取りを補う手段として、補聴器の利用が役立つ場合があります。会話が聞き取りにくい、テレビの音量が大きくなるなどの変化が気になる際は、どうぞご相談ください。

原因

加齢性難聴は、加齢に伴う内耳の変化が主な原因とされていますが、耳あかの蓄積や、前庭神経鞘腫などの良性腫瘍、特定の薬剤(アスピリンやアミノグリコシド系薬剤など)の影響によって聞こえにくくなる場合もあります。耳あかが原因の場合は取り除くことで改善が期待できるため、聞こえづらさを感じた際には、耳鼻咽喉科で状態を確認し、適切な対処を行うことが大切です。

治療方法

加齢性難聴では、高い音や子音が聞き取りにくくなるため、言葉がはっきりせず、会話の理解が難しく感じられることがあります。
特に騒がしい場所や大人数の場では聞き取りづらさが強くなることがあります。加齢による自然な変化で元の聴力に戻すことは難しいため、日常生活での聞き取りを補う方法として、補聴器の利用が役立つ場合があります。聞こえづらさを感じた際は、ご相談ください。

当院では、ここでご紹介した内容以外にも、さまざまな耳の症状や疾患に対応しています。
詳しく知りたい方は、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のホームページに掲載されている対象疾患一覧もご参照ください。

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